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横田正俊記念賞 第37回 受賞論文

該当なし

選考経過

今回は、論文14点を対象に選考を行ったが、残念ながら受賞論文なしという結果になった。
選考対象となった論文は、近時の経済状況の変化に合わせた新たな問題領域に取り組んだもの、伝統的な問題に新たな視点を導入しようとするものなど、独禁法と独禁政策の様々な分野に精力的に取り組むものである。
そのうち何点かは著者達のこれまでの研究成果を反映した優れた視点を示したものとして注目に値するものであった。
いずれも、研究水準は十分に高いことがうかがわれるが、単体としてはもう一歩ということで受賞論文なしという結論に至った。しかしながら、候補論文を含む著者達のこれまでの研究をまとまった形で公表するならば受賞に値することが予想される水準のものがいくつかあることは、これからの経済法・独禁法研究にとって慶賀すべきものと思われる。
他方、検討対象についての制度や事例の紹介や学説のまとめの概観・整理に過ぎないものも散見された。
それらに対しては、先行研究の地平を正しく把握し、それを越えた視点を提示するという学術論文に期待される役割を果たせていないのではないかという厳しい指摘もあった。
しかしながら、短いタイムスパンで多数の論文を書くことを要求される若手研究者にとっては厳しい現状を反映したものなのかもしれない。そのような制約があっても、様々な工夫で持続した研究成果を公表している論者も存在することも確かである。いっそうの努力を期待したい。
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